第2章 第7節『排泄に関連した・・・』は介護の心構えと姿勢を改めて振り返る!

こんにちは、石田です。今回は実技演習最終の科目「排泄」についてご紹介します。排泄は、人の三大欲求にも含まれ生きていくためには欠かせない行為です。単にからだの中の代謝で不要になった老廃物を外に出すだけではなく、排泄物の性状や状態は健康状態を示すバロメーターであります。そして、何よりも『人に見られたくない』行為です。視覚的だけでなく、音がもれないことと言った聴覚的・臭いが漏れないと言った臭覚的にもプライバシーが侵害されないように配慮すべきことです。人の尊厳にかかわる行為でもある排泄は、介護をする側にとって心身ともにストレスがかかり、負担になります。知識や技術だけでなく利用者側、介護職員側、それぞれの立場になって体験をして頂くことに重きをおいています。

 まずは排泄用品の基礎知識として、いろいろな排泄用品にふれ素材や感触や大きさ、作りの違いなどを試してもらっています。

 排泄用品の品評会のよう

『おむつの構造』では、実験をして頂きます。紙おむつの断面図や実際に水を吸収させて、その様子を観察します。実験に使った紙おむつのポリマーはガラス瓶に入れて水、アロマオイルを少し垂らしエコな芳香剤として活用します(=゚ω゚)ノ

 ペットボトル2本分の吸水にΣ(・ω・ノ)ノ!

 高分子吸水ポリマーは吸水すると、数10倍〜数100倍になります

他にも、尿器・差し込み便器を使う上でのポイントや留意点をお伝えしています。在宅でも施設でも、あまり使う場面はないかもしれませんが、知っておくことが大切です。

実習では受講生同士でおむつ交換をします。紙おむつをつけたまま、動く・歩く・座るなどの動作を通して、動きづらさや不快な感覚を知って頂きます。ベッドでの生活であっても、尿意や便意があり座位の保持ができるのであればせめて、日中はトイレでの排泄にこだわりたいですね。ご本人の排泄機能を低下させるだけでなく、生活意欲まで低下させてしまいます。紙おむつの使用は最終手段、これは鉄則です‼

午後からは、陰部洗浄の実習。ビニール製の実習人形で行います。空気で軽い上、関節が曲がらないこともあり、人形を支えないといけない場面が多々あります。人形であっても「〇〇さん、向こうの柵を持ってください」といった具合に、ちゃんと声掛けをします。すると、どなたかが人形の利用者になりきって返事を返すことがお約束になっております。実技演習最終ともなると、自然と和ができるのです(*’ω’*)

 まずは、紙おむつ・パットの交換になれる

お通じを想定して、「黄な粉」を使って陰部洗浄とおむつ交換を行っています。

 準備は万端に、手際よく♪

授業の最後は、ベッドからポータブルトイレへの誘導です。片麻痺の方の残存機能を活用、自立支援を促す配置、安心して用が足せる環境の整備、プライバシーや羞恥心への配慮・・・。このブログを書きながら、改めて気づいたのですが、6日間の実技演習の総まとめのような内容となっています。

実技演習の様々な場面を通して、受講生さんのひととなりが、言葉かけ一つ、関り方一つに感じられます。実技の課題を難なくクリア出来ていれば良いと思われがちですが、知識や技術は後からいくらでも身につきます。それ以上に、介護をする、支援をする心構えと姿勢が大切であると常に思います。

 自然と気遣う声掛けになっています

上手くできなくても、何回もやり直しても、間違っても、良いのです。『いつも、みんなの足をひっぱってる・・・((+_+))』なんて思わなくても良いのです。何もかも初めてのことに、最初から上手くいくことは偶然で、単にラッキーなことなのです。それよりも失敗を重ねて「どうしたら・・・」を考え、教えてもらうといった経験の方が役に立ちます。単に介護の手順や流れを覚えてそつなく行うのではなく、なぜそうするのかといった根拠を理解でき、場面や状況が変わっても、対応ができることが今後の現場での支援につながってきます。

第2章 第6節『入浴に関連した・・・』は目配り・気配り・心配りのスペシャリストであることが必須‼

更に、ごぶさたしております、石田です。前回の約3週間ぶりをはるかに更新し、1ケ月半以上ぶりのUPとなりました。その間また『何だかんだありまして...』と言い訳探し…(;^ω^)  いえいえ・・・今回は、ちゃんとした?‼理由がございまして。今日はまず、そのご報告からさせて頂こうと思っております。来年の令和5年度から『介護福祉士実務者研修」を開講することになりまして、設置に関する申請の準備をしておりました。介護福祉士を目指し日々、支援に励む皆さまに今後の現場に役立つ授業を展開していきたいと思っております ハイ(=゚ω゚)ノ

 実務者研修テキスト

その他に、6月中に2つの研修を修了致しましたヾ(*´∀`*)ノ♪ まず、一つ目は『介護職員のための喀痰吸引等研修』いわゆる3号研修というものです。かれこれ20ン年前のいぶし銀に光る?介護福祉士を取得しておりまして、当時は医療的ケアはなかったもので憧れの資格の一つでございました。2つ目は、『行動援護』従事者等養成研修です。オンラインでの研修でしたが、一方的な授業ではなく、講師の先生初め、受講生さんの発言からも気づきが得られる有意義な内容でした。このような学びのチャンスを与えてくださる会社に感謝ですね(*’ω’*)♪ ご挨拶のつもりが、またもや長くなってしまいました。

今回の科目は『入浴』です。人は、からだの汚れを落としたい時、リラックスしたい時、疲れをとってゆっくりと眠りたい時など、さまざまな理由で入浴をして、からだを清潔に保ち、爽快感や満足感を得ていると思います。入浴するスタイルやこだわりも色々あり、また時代とともに変化していっているのではないでしょうか?と言うのも、昭和30年代に内風呂が普及し始めますが、銭湯での共同浴場が主流でした。今では、家にお風呂があるのが普通であるものの、老化からの衰えや疾病で何らかの障害がある場合は、ご自宅での入浴やその動作が難しくなります。入浴は、ADL=日常生活動作が低下すると最初に自立できない動作と言われています。なぜなら、お風呂場まで移動する⇒衣類の着脱⇒入浴の動作(からだを洗う、浴槽をまたぐ)などの複合的な日常生活動作の組み合わせであるからです。

それだけではなく、その方の体調や心身機能、その能力などをアセスメントし身体状態の観察をしつつ、羞恥心や自尊心にも配慮を求められ、さらに体調の急変や事故にも対応しなければならない、まさに気配り・目配り・心配りのスペシャリストであることが必須になります。

ついつい、熱く語ってしまいました(;・∀・) では、授業の内容をお伝えしたいと思います。

ケリーパッドを使っての洗髪介助。バスタオル2枚と45リットルのナイロン袋、洗濯ばさみで作成します。

 ケリーパッド

以前は、受講生さん同士で洗髪をして頂いていましたが、最近は実習用のお人形を活用しております。(髪の毛がないので、洗髪の手順をして頂いています)ケリーパッドを現場で使うことはあまりないようです。実際には、紙おむつを使って洗髪後の処理も簡単にされることもあるようです。

 洗髪介助 

お次は、泡立てネット作って手浴を行います。泡立てネットは、ネットと輪ゴム2本で簡単に作れます。そのネットを使って、しっかり泡立てをします。泡には、2つの効果が‼①皮膚の汚れをはがして取って包み込む働き②摩擦による皮膚への負担を軽減するクッションになる働きがあります。

 きめ細やかな泡を作る秘訣はさ〇うです♪

 手浴の後は保湿もしっかり行います

実は、研修センターには浴槽の設備があります。(※お湯は流せません)

 普段はいろんな教材で隠れております

右片麻痺の方の入浴介助を利用者側、介護職員側の両方を演習します。教室の片隅にある入浴設備、お湯が出ないはずなのに、なぜか熱いのです。皆さんの熱意なのか、ライトが当たるからなのか、実際の入浴介助さながら熱い場所となっています。

 入浴介助は安全に安全に、気持ちよく

一般的な家庭のお風呂場を再現してますが、浴槽は半埋め込み式のため、浴室内がちょっとしたステージになっております。その為、なかなかの上り框が・・・。1段だけですが、階段昇降も兼ねての入浴介助となります。

入浴介助では、狭い浴室の中で前屈みや中腰になることが多く介護職員の腰に負担がかかります。利用者さんの安全を確保しつつ、介護職の身の安全も守ることも大事になってきますね。

第2章 第3節『整容に関連した・・・』は身じたくの大切さを理解する‼

ごぶさたしております、石田です。約3週間ぶりの更新となりました.../(;^ω^) 自分で決めた計画では、週に1回以上はUPだったのですが、何だかんだありまして...とついつい出来ない言い訳探しを始めてしまいます。「出来ない言い訳でなく、どうすれば出来るのかを考える」頭では理解できているのに、行動に移せない。こういったことは、仕事に限らず生活の中には、あふれかえっております。些細なことでも『なんで?』と掘り下げて考えて、さっと行動に移せる←これが習慣化できる人になりたいと常々思っております。ご挨拶のつもりが、ちょっと長くなってしまいました。

今回の科目は『整容』です。整容と言われても、普段あまり使わない言葉ですよね。言い換えたら、身支度や身だしなみのことです。例えば、洗面・整髪・爪やひげの手入れ・化粧、着替えなどのことです。この整容ですが、本人らしさをつくる上では大変重要なことにもかかわらず、介護の上では手を抜かれがちな行為でもあります。その方の生活の質を高める、心身とも健康になるだけでなくその方の尊厳を守ることにつながってくる行為でもあります。

以前、デイサービスで仕事をしていた時のお話になります。お迎えに伺っても、なかなかスムーズに出てこられない利用者さんの対応で悩んでいたことがあり、送り出しのヘルパーさんに入ってもらうことになりました。それですぐに解決かと言えばそれでも難しく、離れて住むご家族にわざわざ来て頂き、ヘルパーさんご家族交え3人がかりで何とか・・・いやいや、やっとでした。

そこにベテランヘルパーさんが担当されてから突如と状況が好転‼ 玄関先で和やかに談笑して待たれているではないですか(゚д゚)!

いったい、この劇的な変化は「何⁉」なんですが、このベテランヘルパーさんがされたことは「単に普通のことをしただけ」とのこと。さすが、ベテランヘルパーさん。さらっと言われる言葉にも余裕を感じます(*’ω’*)

では、普通のこととは・・・⁉いったい何?ですよね。それは、何も特別なことではなく自分がでかける時に行う=習慣としていることで利用者さんのペースで意向を聞いて行っただけだそうです。単に顔を拭いて、クリームをつける。その後に髪を整える。そして、鏡で見てもらう。これだけのことですが、ご本人にとっては大切にされている、丁寧に対応されていると感じられたのかもしれません。

誰にだって人前に出る時は、時や場所を考えて自分らしい身だしなみを整えようとすると思います。他人に不快感を与えたくない、良い印象をもってもらいたいなど心理的な部分も関係するため、そういった心の動きが行動につながってくるように感じます。授業では、身じたくを整える意義やその効果について理解できるように努めています。

  口腔ケアの説明をする土田先生

口腔ケアについては、実際にケアスポンジや口腔用の保湿ジェルなどをご自身で試し、その立場の方の理解を促します。

衣類の着脱介助は『脱健着患』が原則になります。私が学んだ時代は着患脱健だったような・・・。同じことなんですが、時々ごっちゃになってしまう時があります( ;∀;) 麻痺のある方の場合、脱ぐ時は麻痺のない方から=健側、着る時は麻痺側から=患側行うということ。その理由は、麻痺側の関節などに負担をかけないためです。

実習では麻痺側にグレーのアームカバーを付けて行いますが、介助する方も利用者役も麻痺側が分からなくなることも、しばしば。そもそも、デモを行う講師の私が『どっち⁈』となります。

左右間違っても、単に麻痺側だからではなく、まずは原則としてその根拠を理解することが大事ですね。

 ベッド上での更衣 

ベッド上での介助では、特にベッドの高さを上げる。ボディメカニクスを活用する。この2つが大変、重要になります。前のめりの姿勢のままでの介助になるので、腰にかなりの負担がかかります。腰は、身体の『要』ですから(‘ω’)ノ

 和式寝間着の更衣介助

和式寝間着=浴衣式の介護衣での実習も行っています。着られている方は、余りいないかもしれませんが・・・。だからこそ、取り入れています。なぜなら、今しか出来ない経験をしてほしいと考えるからです。

和装は日本を代表する文化にもかかわらず、着物離れがすすみ 着たことがない、七五三、成人式以来が殆ど。しかも着付てもらってなので、自分で着られる方が本当に少ない現状です。

自分で着られたとしても、年に数回も着物を着る機会もそうそうなく自分で鏡を見ながらとなると襟の合わせが逆になってしまっている。そんな方残念な方を祇園祭でよくお見かけしておりました。若い頃は、私もその幽霊のような一人でしたが( ´艸`)

整容の科目では、さまざまな介助があります。その中で、もっともよく行うであろう更衣の介助は、端的に言うと衣類の交換を行うことです。しかしながら、着替えられたらいいのではなく、その方の着たい服を自ら選択でき、プライバシーが守られ安心した中で行える。出来るところはご自身でやって頂く、その中で体調や着心地などの配慮を伝え対応する。こういった一つひとつがその方の『尊厳』につながるように思います。冒頭のベテランヘルパーさんは、かかわりの中で自然と実践されていたのではないとかと推測します。プロ意識を持った方だと、そう記憶しております。単に介護技術やノウハウだけでなく、その方のQOLを高めるその為のアシストと捉えることが何よりも大切だと考えております。

【 福祉 × AI はどこまで進んでいるのか】ぶらり京介護チャンネルラジオ

2022/04/19放送分

AI化、自動化、オンライン化・・・など

介護福祉の業界ではどこまで導入が進んでいるの?

地方の中心街からも遠く離れたエリアに住む利用者さんの例を交えながら、現状や課題について深掘りトークです!

 

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FMラジオ番組 ぶらり京介護チャンネル
介護業界のあんな事・こんな事を配信しています

障害者のための 京都ぶらり旅の副音声的ラジオ版
放送前、放送後のオフレコトークを含めた
介護に関する様々な話題をいろいろな角度から伝える情報番組
ラジオでしか聞けない話をお楽しみください!

MC:サクセスフルエイジング(まごのて北山) バイク小谷
パーソナリティ:グリーンライフ(まごのて右京・衣笠) リヴァイ大佐

配信情報
■京都ラジオカフェ FM79.7(http://radiocafe.jp/)
 第1・第3火曜日 12:39〜12:59
■RADIO MIX(KYOTOFM)FM87.0(http://radiomix.kyoto/)
 第2・第4水曜日 14001421

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第2章 第4節『移動・移乗に関連した・・・』2日目外出支援

こんにちは、石田です。ようやく、投稿の感覚をなんとか取り戻しました。また、『どうやったっけ((+_+))』になる前に授業の内容紹介をしていきたいと思います。

前回に続き、移動・移乗の2日目。午前中には、車椅子の構造や安全な操作を学びます。
車椅子は、自走式・介助式・ティルト式のものがあり、それぞれの特徴や留意点をふまえ試乗します。

 ティルト式の車椅子

その後は、床走行式リフトの操作や試乗もおこなっています。試乗については、ここでしか出来ない体験ではないでしょうか(*´ω`)

 リフト体験  

また、立ち上がり介助の際には三角布の扱い方をレクチャーしています。知っているだけで、介護の場面だけでなく、事故や災害の際にも役に立ちます。

 三角布の当て方(ゴミ袋を活用)

午後からは、『外出支援』
向かう先は、ハートピア京都、そして地下鉄に乗り『京都御苑』です(=゚ω゚)ノ

車椅子の介助で大切なことは、段差の乗り越えや振動に対する配慮と声掛け。そして、交差点や曲がり角など車椅子が先に出る場面では、一旦止まることです。車椅子に座っている方は、目線の高さの違いから普段は気にもしたことがないことに「こわさ」や「不安」を感じることと思います。これは、実際に体験して感じて頂くことが一番ですね。

 まずは丸太町通へ

ハートピア京都では、エレベーターの乗降や階段の昇降介助、杖歩行(二動作・三動作)をします。昨日の授業では、理解して覚えていたことでも、いざ階段を目の前にすると『⁈』になってしまいます。

階段の際は、「行きはよい、よい 帰りはこわい」#とうりゃんせ

杖歩行(3動作歩行)はえ・ん・ん #つっかけ 

授業で紹介した語呂や覚え方のポイントを伝えると、皆さんスムーズ。語呂ってすごい!(^^)!

 階段昇降の介助

地下鉄丸太町駅から今出川駅まで乗車。車椅子での目線になって、知ることや初めて気づくことがたくさんあります。

障害者手帳を持たれている利用者の支援では、交通機関や公共施設の割引などが受けられます。事前の準備や行先のルート、トイレの場所の確認など。外出支援を数多くされている白澤先生ならではのお話がたくさん、まさに活きた授業ですね( ..)φメモメモ

 地下鉄丸太町駅の改札口

 乗車する際の留意点を説明

丸太町駅から今出川駅、そして京都御苑。

 ☜エレベーター内での気づき 

 京都御苑での砂利道

この日は舗装されていたのか思いのほか、車輪が埋まらずスムーズに走行…。あれっ?

 ☜休憩所には砂利道用の車椅子があります(‘ω’)

 多目的トイレ使用の説明

 視覚障害の方への介助

 車椅子での買い物支援

本来の外出支援と変わらない内容で行われます。その為に事前準備やルートの確認など、余念がありません(‘ω’)

皆さんから「ためになった」「視点が変わった」「もう一度行きたい」との感想を頂くほど、満足度の高い授業となっています。

 帰路につく頃には操作にも慣れて…

教室に戻ると皆さんが使っていた車椅子の手入れを行います。タイヤやフットサポートなどを拭き、元の位置に戻すまでが『外出支援』です。

 拭きなれないながらも、皆さん丁寧

この授業で得たことを今後、皆さんの支援に活かして頂ければ本当に何よりです(*´ω`)